日本人らしいサッカーとは何か。W杯を制覇するにはどうするべきか? |BEST TiMES(ベストタイムズ)

BEST TiMES(ベストタイムズ) | KKベストセラーズ

日本人らしいサッカーとは何か。W杯を制覇するにはどうするべきか?

尽きないテーマに岩政大樹が挑む

チームの中での正解を求めてしまう

 日本人らしいサッカーを確立させるために何ができるのか。そのスピードをいかにして早められるのか。

 僕の人生の大テーマです。
 日本人らしいサッカー。

 オシムさんが「日本化」という言葉を使った頃からでしょうか。頻繁に語られるようになったのは。色々なところで目にするようになった議論ですが、それらを見るたびにずっと違和感がありました。

 というのも、そうしたときに挙げられるのが「ショートパス」「ハイライン」「プレッシング」などと、チームのスタイルや判断を一つに決めつけるように語ろうとすることが多いからです。

 しかし、チームの戦い方を一つに決める必要などあるのでしょうか。
 それらは、選手によって変わるものではないのでしょうか。

 それがずっと疑問でした。

 今年、コーチと選手を頭の中で行ったり来たりしている時間の中(東京ユナイテッドで選手兼コーチを、東京大学サッカー部のコーチをしています)で、これこそがこれから僕が取り組んでいくべきテーマなのだと明確になってきました。
 つまり、サッカーにおける、チームとしての戦い(組織)と個人の判断との関係について整理していくことです。

 コーチをしていると、チームを全体でひとまとめで捉えようとしがちになります。しかし、選手はそれぞれ個別です。

 チームや組織を一つの枠組みで先に決めてしまうと、選手は自分のより良い判断を求めるより、チームの中の正解を探そうとしてしまいす。それではチームや組織は大きくはなりません。

 選手の成長とともチーム(組織)も大きく。だから、やっぱり僕は、個人の判断でチームが作られ、変わっていくことを忘れずにいたいと思っています。

 少し分かりづらいですね。例えばそれはこういうことです。

KEYWORDS:

オススメ記事

岩政 大樹

いわまさ だいき

東京ユナイテッドFC

サッカー選手

1982年1月30日生まれ、35歳。187cm/85kg。ポジションはセンターバック。

山口県出身。周東FC、大島JSCを経て岩国高校サッカー部でプレー。東京学芸大学在学中に注目を集め、2004年鹿島アントラーズに加入。

2007年~2009年鹿島アントラーズのJリーグ3連覇に貢献。自身も3年連続Jリーグベストイレブンに選出される。

2013年鹿島アントラーズを退団。2014年にはタイプレミアリーグのテロサーサナでプレー、翌年ファジアーノ岡山に加入。

強さとクレバーさを兼ね備えたプレーでディフェンスラインのリーダーとして活躍する。2017年シーズンより関東サッカーリーグ1部の東京ユナイテッドFCに加入(コーチ兼任)。東京大学サッカー部コーチも兼任。

2016年シーズン終了現在で、J1通算290試合出場35得点、J2通算82試合で10得点。日本代表国際Aマッチ8試合出場。

2017年9月初の著書『PITCH LEVEL 例えば攻撃がうまくいかないとき改善する方法』を上梓。


この著者の記事一覧